Voodoo以来の専門処理ボード開発へ――PhysicalProcessingUnit、PPU登場?

HalfLife2をはじめとして、最近は「物理演算」を要とするゲームが少しずつ増えてきています。いわゆる「リンゴが万有引力により木から落ちる」的な法則を再現する類の処理です。特に、レースやフライト物などの「シミュレータ」系では必須ともいえるこの種の計算ですが、CGの描画処理と同様、決してCPUに対して負荷の軽いものではありません。当方でも簡易的なものを少し作ってはいますが、特に「衝突判定」や「反力計算」等の部分で頭を悩ませます。


PPUというのは、この重い物理演算を専門に計算してくれる増設用のチップなのだそうで、PCI-Eかなにかのインターフェース経由でボードとしてPCに増設する形式になる様です。かつて、3DCGを専門に処理するVoodooや、PowerVRといったチップがありましたが、ゲーム用に増設するもの、という意味では同じような物と言えそうです。


が、3DCG専門の増設ボードが普及を成し得なかったのと同様、この種のボードもあまり普及をする様には思えませんね(^^;; 当たり前といえば当たり前ですが、ボードを増設してまでPCでゲームやる人は余程のマニアな人だし、特定のチップ専用のゲームというのも、あまり嬉しくありません(ボードを変えると動かせなくなってしまう)。3DCGの世界では、特定のチップ専用のゲームというのが乱立した末に、OpenGLDirectXDirect3Dなどといった共通の規格を持たせることで、特定のボードに依存せずにゲームが作れるようになってようやく安定を得た、という経緯があります。もしかすると将来、DirectXにDirectPhysical、なんてのが追加されたりするんでしょうか?(^^;;


# ちなみに、リアルタイム3DCGの世界で有名な狩野氏が、以前素晴らしいデモを作られていましたが、
# ビデオカードの「シェーダ」機能を使った物理演算も注目されています。どちらのアプローチが
# 主流になるのでしょうか?