Expired

いわゆる、脳で物を操るというSFの世界が現実に!という世界の話ですね。が、事業化はともかくとして、この種の技術は、結構な歴史のあるものだったりします。遡ると、かつて1960年代を中心に、四肢障害などを負った人に対して、失われた身体機能を取り戻させる「サイバネティクス」が根底にあります。


たとえば、盲目の人に対して、脳に直接視覚刺激を与えることで視覚を取り戻したり、腕をなくした人が機械義手を思い通りに動かしたり、といったことを目標としていました。


これらを実現するには、たとえば脳が「どんな信号」を「どの部分」で受け取って目が見えているのか、腕を「どんな信号」を「どの部分で」発して制御しているのか、といったことを明らかにする必要があります。


最近の研究でこれらは徐々に明らかになってきているようです。ただし、明らかになったとして、それらの信号をどうやって正確に測定するか、といった手段の問題もあります。
当然ながら、脳の当該部分に直接電極をうまく差し込めば、その信号は正確に検出できます。とはいえ、たかがインターフェースにそんな危険は冒せない。なので、頭皮上に電極をつける方法になりますが、これだとどこの部分の信号なのかが明確にならず、出来ることは極めて限られてしまいます。本来なら、この電極ですら毛髪を一部剃って装着するのが望ましいのだとか。


その他、脳磁場や、光によって脳内の酸素代謝量を測定するなどの各種手段が存在しますが、いずれも「どんな信号」(信号のタイミング等)、「どの部分」の双方を、人体に傷つけない状態で正確に取得するには至ってないそうです。このセンサ技術こそが、人をサイバー化するために鍵になるのかもしれませんね。マトリックスみたいな世界が幸せかどうかは分かりませんが(^^;;


#ちなみに、時代は巡り、今ではこの種の分野はBrain Machine Interface(BMI)/ Brain Computer Interface(BCI)
#と呼ばれています。脳波測定ではないのですが、私も「念じて動く」機械は試してみたことがあります。
#花開くのはまだまだ先かもしれませんが、発展を期待せずにはいられないですね。