心を共にする二人――Zaurusと玄箱、その1

二年ほど前に話題になった「玄箱」ですが、Linuxに対して興味のある人でなければ、これが一体何のための代物なのか、いまだにピンと来ない人もいるかと思います。私もそういう一人でした(まだLinux初心者という意味では変わらなかったりします)。
ところが、玄箱を買ってからというもの、ウソのように生活がガラリと変わり、以前の僕を「貧弱な坊や」と馬鹿にしていた女の子も、僕のことをたくましい男性とし(略


と、良く分からないものに対してはうさん臭い想像をしがちですが、明確な目的の元に環境を構築してやれば、非常に有効な「ホームサーバマシン」として実用することができます。


元々、玄箱NASといわれるただのハードディスクです。が、LAN経由でファイルを保存したり取り出したりできる構成上、内部に立派なCPU/メモリと言ったコンピュータの構成を備えています。OSはLinux。ただのファイルのやり取りだけで終わらせるのは非常にもったいない。では、具体的に何ができるのか、というと


・ファイルサーバ
元々持っている機能ですが、Windows機のみでなく、Zaurusその他でも気軽に使うことができます。また、セキュリティを確保する必要がありますが、インターネット側(つまり世界中)からのアクセスも可能です。


・Webサーバ
自前のHPを好き放題に作ることができます。広告も出なければ、CGIスクリプトの使用制限もありません(もちろん自分で収拾のつく範囲でですが)。ダイナミックDNSサービスを併用すれば、自宅のIPアドレスを気にせずに固定したドメイン名も持つことができます。


・メールサーバ
これは上記のダイナミックDNSサービスと組み合わせることで、自前で送受信メール(SMTP/POP等)の管理ができるというものです。ただ、個人的にはメリットを感じないし、Webに公開しているサーバに個人情報が混じるのを防ぐ意味合いで使っていません。


・各種処理
手足がネットワークしかないことを除けば、立派にLinuxPCなので、色んな処理を自前でさせることができます。単純なファイルコピーから、gccを使ってのプログラムコンパイルなど、利用法は無限です。かなり無茶らしいですが、X-Windowサーバも動くのだとか。


と、ネットワーク上で提供できるサービスであれば、そのほとんどをこなすことができます。唯一の欠点なのは、キーボードやディスプレイを繋げられず、初心者お断わりな雰囲気があることですが、同じLinux機同士であるZaurusであれば、ネットワークを介して、ターミナル上でコマンドを入力するのと全く同じ感覚で、すべての操作が行える=Zaurusがそのまま機能拡張されたも同然。導入しない手はありません。まだまだ手前の環境でも限定的ではあるものの


・TV番組の録画データをどこからでも視聴可能
自分しか知らないアドレスのWebサーバへ、録画したファイルを自動アップロード(つまりコピー)しておけば、世界中ブラウザと動画プレーヤーがある環境ならどこからでも見ることができます。


・ナローバンド環境からでも大容量のファイル操作ができる
ナローバンド環境で、Web上にある大きなファイルをDLしておきたいとか、逆にアップしておきたい時など、便利です


Zaurus上では重いPerlスクリプトなども比較的軽く走らせられる
当方では、地図DLスクリプトを走らせています。ほぼ自動ですべての処理をさせたら、あとはZaurusへDLさせるだけです。無駄に電猫も走らせようと試みていますが、ちょっと玉砕中です(^^;;;


・簡易的にファイルアップローダとして知人その他に開放できる
CGIスクリプトを使えば、ちょっとファイルをやり取りする場を提供することができます。


WOLで家庭内のPCをWeb側から起動するスイッチになる
TV録画用マシンに録画予約したい時など、玄箱を仲介させることで電源を入れたりできます。


と言った恩恵に授かってます。一点、セキュリティに関しては常に気を配っておく必要がありますが、そこさえクリアすれば幸せな生活が待っています。具体的な方法に関しては、気が向いたらいずれ書いていく予定です。いつになるのだか(^^;;