愛・地球博――プロトタイプロボット展、行って来ました

と言っても、出展者側だったりしますが○| ̄|_
設営・説明員その他のお手伝いで行ったのですが、前日の設営準備は徹夜。他のブースの皆さんも、同じく色々頑張ったりトラブったりしていました。日本各地で研究されているロボット65種類に渡る「プロトタイプ(つまり研究室レベルのもの含)」が一堂に会する、という前代未聞の展示になっています。ある意味貴重ですが、ちゃんと全てのロボットが動いていることを期待すると肩透かしを食うかもしれません(^^;;;


作業の合間に少し時間があったので、興味のあるロボットについて、ちょっとだけ見てまわって、話も聞いて来ました。ロボットの動体展示もさることながら、開発者本人に直接話を聞けるのがこういった展示の素晴らしい所かもしれません(^^


・T-52「援竜
これは有名ですね。所謂重機(ショベル等)の親戚のような災害救助ロボットです。


――腕が二本ついていて、遠隔操作が出来ると聞いています。が、個人的には正直重機との大きな違いがよく分からないのですが
「熟練者であれば、重機とT-52で同じ動作は可能です。T-52は、そういった繊細な操作(被災者の近くでの障害物の除去等)を誰でも行えるような自動化を行っています」


との事。確かに、災害地に都合よく熟練者が居るとは限りません。ここ最近で、ロボットがロボットたる最も現実的な理由を聞いた気がします。


――自由度の高そうなマニピュレータ。T-52の先祖に当たるTmsuk5も同じような腕を持っていて、ROBODEX2000で展示されている時にちらっと聞いたのですが、こちらはスイカ程度の重さしかもてなかったとの事。T-52はどれほどなのでしょうか?
「片腕500kg×2です」


素晴らしい・・・道理で車の屋根をがしがし引っぺがしたりしているわけです。


――実用化に当たって改良したい点などは?
「既に実用試験を行っています。今後は、ヘリで災害地へ空輸できるように、パワーを維持しつつ小型・軽量化を行うことなどを考えています」


既に実戦に向けた答えが。かなり本気です。実用されるような状況(=災害)にならないことを祈りますが、もしもの時には心強いロボットになってくれそうですね。今後はさらに期待です。


ロボットスーツHAL・マッスルスーツ
こちらは、子供の頃に夢見た所謂「パワードスーツ」です。両者とも用途が被るように見えるのですが、


ロボットスーツHALは、特定の軸(関節)に対して補助を行う。補助された軸は高出力な半面、それ以外の関節は、装着者自身が充分な強度を持っていないといけない。
・マッスルスーツは、肩関節など、非常に多くの軸に対して補助を行う。そのため、装着者自身にほとんど筋力が無くても、腕全体の姿勢を誘導させることが出来る。アクチュエータが多いため、単体の出力はロボットスーツほど大きくは無い。


との事。見た目的に派手なのはHALですが、さすがに万能というわけには行かないようです。米軍も、1960年代に失敗してから、再び開発熱を燃やしているらしいですが、最終的にどう言う姿になるのでしょうか?


・アクロバット飛行船・やっこ凧方飛行ロボット
ありえない動きをする飛行船と、ありえない遅さで飛行する飛行機です(^^;;
前者は、海で大型船を引っ張り出すのに頑張っているタグボート特殊なプロペラを両側につけた飛行船です。このプロペラは、回転軸と直角方向であればどんな方向にでも力を出せるようになっているので、くるりと宙返りしたり、ロールしたりその他諸々の自由な運動が出来るようになっているそうです。風に弱いという飛行船の弱点を上手くフォローするような、無人観測機などに応用できるといいですね(^^
後者は、可能な限り失速直前でのコントロールを可能にした機体なのだそうです。形を見てみると、プロペラ後流を直接舵に当てるという工夫を行っています。10〜150km/hくらいの速度域で飛べるという話を聞いて、似た特性をもつある機体を思い出したので、近い原理なのかを聞いてみたところ、どうやら違うとの事。流体の世界は深い&難しいですね・・・(^^;;
ちなみに、実機サイズで作る場合には、抵抗が馬鹿にならないのであまり実用的では無いだろうとの事。低速での定点撮影などに威力を発揮する機体のようです。