さようなら交通博物館――万世橋駅遺構公開を訪ねる

Alcyone2006-02-10

秋葉原万世橋横にある交通博物館。実は結構な歴史を持っていたのですね。今年の5月に閉館することになり、それに合わせての最後の遺構公開です。元々、この万世橋には中央線のセンター駅として機能していた万世橋駅があり、東京駅の完成に伴ってその役割を引退して、昭和18に廃止されたのだそうです。


その途中で駅と併設して鉄道博物館が出来、さらに規模を大きくして交通博物館になった経緯があるそうで、博物館としても昭和11年からの長い歴史を持ちます。かつての模型などの展示物も、それ自体が最早レア物状態。そう考えると、伝統ある博物館が移転してしまうのは、一抹の寂しさを感じます。


今の遺構公開は、その閉館の直前に当たり、遺構を公式に見ることの出来る最後のチャンスかもしれません。というわけで見学してきました。(^^


交通博物館の構造物そのものが、かつての万世橋駅、ひいては中央線の橋脚の一部をなしているのが良くわかる構造になっていました。


ホームに続く階段。滑り止めの金具は、戦時の金属供出で外されてしまったそうです。まさに歴史の証人。

あまり広々とした遺構ではなかったのですが、かつての人の息遣いを感じられるような貴重な場所でした。今後どうなるかは分からないそうですが、もし可能ならば、博物館の閉館後も大事に残しておいてほしいですね。