HMDを自作するには?――材料探しの旅
随分昔からのお題を引っ張っていますが、現在、HMD(みたいなもの)の自作をしています。自作するにあたって、重要になるのがその材料なのですが、
- 頭部に取り付けるためのヘッドギア
- 目の中で画像を結像させるためのレンズ・ミラー等の光学部品
- 液晶パネルなどの小型画像素子
- 液晶の光源になるもの
を揃える必要が出てきます。もちろん、市販のHMDにはこれらの部品が全て揃っており、それらを流用できるのが一番です(全部使うと自作の意味がないですが・・・)。中でも小型の液晶は種類が出回っておらず、貴重です。
が、現在流通しているHMDは、そのほとんどがLCOSと呼ばれる高密度な強誘電液晶を用いています。この液晶は、巷のノートPC等で見られるような液晶パネルとは違い、液晶の基板裏側に直接駆動用のICがくっついているような形で、構造上反射型液晶となっています。更に、解像度を上げる為に、R・G・Bそれぞれに画素を割り当てるのではなく、一つの画素に、R・G・Bそれぞれの色のLEDを光源として時分割で当てることによって、カラー化を実現しています。
今回は、このような多色LEDや、その他で使われている陰極蛍光管ではなく、やや特殊な光源を使う必要があるため、LCOSのタイプはほぼ全て流用できません。試験的に使用したことはあるのですが、白一色の光源の為にモノクロ&光が強すぎて白っぽい画像に・・・_| ̄|○
というわけで、現在発売されているHMDからの流用はほぼ絶望的です。他に小型液晶を使っている分野は無いものか・・・と手当たり次第に漁っていて、ようやく発見したのが「EVF」用途の液晶です。ElectricViewFinder:電子ビューファインダー、つまりビデオカメラ等に使われているアレです。液晶モニターが広く使われるようになった現在でも、専用のファインダーを併設しているカメラはまだまだ需要があるようです。
この分野に関しては、ハンディカムで歴史の長いソニーを始めとして、サンヨーエプソン、カシオやNEC、そしてなんとSVGAの解像度を持つパネルを発表しているKOPINというメーカーも頑張っているようです。
今のところニッチ的に旧来の透過型液晶がメインで使われているようですが、この分野も徐々にLCOSが普及しつつあるようです。遊ぶなら今のうち・・・かもしれません(^^;;
#ワンポイントアドバイスとして、陰極蛍光管を使った液晶の場合、バックライト駆動回路
#には注意してください。数千Vへ昇圧する部分があるので、端子をうっかり触るといい感じ
#に痺れます(体験済み(^^;;; )