瀬戸際なのでしょうか

こういった記事を始めとして、最近そこかしこでPDAは下り坂だと言う話を聞きます。CLIEも海外から撤退し、東芝PPC撤退か?といわれ、Zaurusも新機種のペースは明らかに落ちています。Palmが開拓したPIMから高機能化、肥大化し、まるで恐竜のように滅びていく構図の様ですね。


海外でもPDAが下り坂なのは変わり無いようですが、国内の下り坂はそれとはまた異質では無いか?と個人的には考えています。それは何故か?というのを自分なりに愚考してみました。
ちょっと別の話になりますが、日本ではPCゲームが普及しません。絶滅しているわけでは無いですが、少なくとも家庭用ゲーム機に対して、海外産に多く見られる3Dゲームのほとんどは普及とは程遠い所にあると思います(国産のエロゲーはまた別分野ですね^^;;)。理由としては、趣味があわないというのも当然あると思うのですが、一番なのは「面倒だから」。これに尽きると思います。


買ってきたゲームをセットして、スイッチを入れてすぐ起動。PCの3Dゲームはそうも行きません。インストールしても動かないことはざらです。ビデオカードサウンドカードのドライバをチェックして、最悪の場合OSの再インストールまでこなさないといけません。余程の物好きでなければこんな事をやろうとは思わないでしょう(自分もその物好きの一人ですが)。


PDAも同じです。スイッチを入れみて、出てくるものは3日坊主になりかねないPIMやら、入力しにくいメモ帳やら、機能が制限されたWord/Excel互換のアプリケーションやら、どうやって鑑賞したらいいのか分からない動画プレーヤーやら。何も知らない人から見て、これらの機能は基本的にゴミ同然です。何故なら、どれ一つ取っても明白な使い方が見えて来ないからです(PIMも、充電や故障というビハインドを考えると、結局は紙に対してアドバンテージが少ない)。


反対に、普及の限りを尽くす携帯電話は、通話、メール機能、Web閲覧を中心として、キャリア自体が強力なコンテンツプロバイダとなって、ボタン一つでゲームを始めとした各種サービスの提供が行われています。動画だって手取り足取りでメールに添付して送って遊ぶのも容易です。携帯の広告でも新しい遊び方、使い方の提案で溢れています。


個人的には、こういった通信インフラのキャリアとコンテンツプロバイダが結びつく形は非常に嫌いで、遊び方、使い方は自分で見つけるタイプです。誰かの提案で遊ばされるよりも、自分の好きな事で遊びたいのです。今のPDAは非常に高性能です(コンピュータとして)。ちょっと昔のデスクトップPCが手の平の中に収まっています。これ程無限の可能性を秘めるおもちゃは無いし、小さなPCとして手放す事はとても出来ません。


しかし、今の世の中、物の使い方はメーカーからきっちり提案されないと、大多数の人は使おうと考えないのではないでしょうか?メーカー製のPCだって、TVがタイムシフト録画できますよ、とか、高性能な翻訳ソフトがついてますよ、とかいう提案で必死に喧伝しています(PCも提案が手詰まりになって下り坂のようですが)。PCなのだから、自分で好きなハード・ソフトを追加すれば良いだけなのですが、大抵の人はそれすら億劫なのです。だからこそ最初に搭載されている機能のみで選ぶ。


PDAではこの提案が陳腐化して、本格的に手詰まりのようです。SonyPSPがそれに近い所を虎視淡々と狙っているように感じられます。携帯型ゲームというのは、PDA(と似たような形式の物)にとってはキラーアプリですね。では、PDAなりの進む道というのは、今あるのでしょうか?。もちろん、個人的には色々あるのですが、メーカーにも是非主体的に色々提案して欲しいものです。PDA復権を願わずにはいられません。