対レーダーミサイル「AGM-45」を使ってみる

SFP1の舞台となる時代は、ベトナム戦争とほぼ同様の1960年代中盤から70年代半ば。当時、敵の航空機を迎撃する為に対空ミサイル(SAM)が北ベトナム軍に次々と配備され、それまで一方的にB-52で爆撃を行っていたアメリカ側に被害が出始めました。これに対抗する為に、敵のSAM等を予め破壊しておくSEADミッションが組まれるようになり、このミッションに対応可能なミサイル、AGM-45「Shrike」や、AGM-78「Standard」が開発されました。


SFP1でも、このSEADミッションを行えるようなので、プレイしてみました(^^
今回は、SFP1にも登場するAGM-45A/B「Shrike」が、実際に使えるかどうかの検証です。ちなみに、AGM-45は、敵のレーダー波を捉えて、電波が発信されている方へ向かって突進すると言う単純な仕組みのミサイルです。そのため、

  • 敵がミサイルに気付いてレーダーを切ってしまうと、誘導が中断して明後日の方向へ向かう
  • 敵のレーダーがずっとこちらに向いていないと、やっぱり誘導が中断して(以下同文)
  • ミサイルがレーダー波を捉えられる領域はとっても狭いため、ミサイルがそっぽを向くと(以下同文)
  • 特定のレーダーの波長のみしか捕らえられないため、SAM等の種類に応じて持っていくミサイルの中身も変える必要がある。


という、4つの大きな制限があります。SFP1の説明書には何も書いてありませんが、上のサイトで親切にも解説してあります(^^;; SFP1に関しては、4番目の制限は気にしなくても大丈夫のようです。もちろんこのミサイルでは、レーダー波を出している物体=目標探知アンテナのみしか破壊できないため、SAMのミサイル本体も破壊目標となっている場合は、クラスター爆弾やロケット弾で破壊する必要があります。


以上を念頭に置いて、まずは作戦に使う機体の選択から。SAMのレーダー波を捉えるRWR(レーダー警戒受信機)が装備されてなければ、どこにSAMがあるのか検討もつかないので、F-4Eが無難です。装備は、AGM-45を2発、その他はMk20などのクラスター爆弾を必要に応じた数だけ持ちます。当方では、余裕を持たせたいので12発持っていきました(^^;;



大量の武装を抱えて離陸。F-4ファントムにはこういった無骨な姿が似合いますね。重いと離陸速度も相応に上がるので、機首上げ時のタイミングに注意が必要です。



敵の上空に達したら、まず目標になるレーダーを見つけます。RWR(右側の丸い計器)に写っている緑色の四角い光点の中のどれかです(この場合は一つだけ)。SAMである「SA-2」の場合は射程が長いため、離れた所からロックオンを仕掛けてきます。この時、ロックオンしてきた目標の光点は、より丸の中心に近いところに点滅表示され、ピーピーと警告音が出ます。更にミサイルを発射して来た場合は、ほぼ丸の中心に光点が移動して、ピピピピとやかましい警告音になります。



この時、SA-2のレーダー「Fan Song」は確実にこちらの方向を向いています。AGM-45を発射するチャンスです。Eキー(地上目標選択)を押して、SAMの方向にFan Songレーダーが無いかを調べます。出て来ない場合はまだ離れた場所にあるので、RWRの示す方向に向かいます(光点が丸の上に来るよう旋回して、そのまま直進)。



Fan Songを見つけたら、「ろ」キー(対地兵装選択)を押して、AGM-45を選択します。この時、照準器が対地モードになっていることを確認。確認したら、遠くからゆっくり降下(5〜10°?)しながら、照準器と目標の四角をきっちり重ねて直進。機体を安定させてからAGM-45を発射。Fan Songがきちんと進路上にあって、かつ降下角度がゆっくりで、かつ適切な距離(3〜4nm?)という条件が揃っていれば、誘導して命中してくれます。逆に言うと、上記の条件をきっちり合わせないと当たりません(^^;;;



命中する、しないに関わらず、発射後はFan Songの近くにある対空機関砲が攻撃してくるので、ロールするなどして弾幕を交わします。レーダーさえ黙らせれば、あとはミサイルをクラスター爆弾で好きに破壊できます。
ちなみにSA-2と同じく、照準にレーダーを使う対空機関砲ZSU-23-4「Shilka」も、AGM-45で攻撃が可能です。が、発射する軸線に乗せる前後に、猛烈な勢いで機関砲を食らうので、SA-2ほど楽には行かないかもしれません(^^;;; それ以前に、Shilka以外の機関砲は全て目測照準なので、実はAGM-45の使いどころはほとんどありません_| ̄|○



爆弾を投下し尽くしたら帰還です。広範囲に小爆弾をばら撒くクラスター爆弾とはいえ、照準にはコツが必要なので、なかなか綺麗に命中せず、持っていった爆弾の割には戦果は控えめです。ゆっくり降下して狙いをつける「緩降下爆撃法」はある程度確立しているのですが、何とかして危険の少ない「水平爆撃法」を実践してみたい所です。



# 当時の低高度水平爆撃では、投下時に照準器よりも下に目標が来てしまうので、照準器で見えてから
# 何秒後に爆弾を投下すれば良いか、というのを速度と高度から簡易的に計算するLABS
# (Low Altitude Bombing System)というものが使用されていたようです。残念ながらSFP1では
# 再現されていないのですが、SimHQのフォーラムを読み漁っていたら、Win上で動く独立した
# ツールとして、この計算プログラムを作った人がいるようです。ただ、今は公開していない
# ようで。残念。そこまで複雑な代物でもないので、自作するのも手かもしれませんね。