AIRcableコマンドラインインターフェース日本語訳

AIRcableをご選択いただき、まことにありがとうございます。さらなるご満足のために、AIRcableモジュールのインストール前に、以下のガイドをお読みください。また、何かお気づきの点があればご連絡をお願いします。

詳細なサポート情報と説明は、以下のウェブサイトにて公開しています


http://www.aircable.net


AIRcableモジュールは高度な機能を持ち、ファームウェアをベースとしたBluetooth接続ソフトウェアを備えています。仮想COMポート用ドライバが含まれるUSBクラスドライバを用いるWindows用のAIRcableUSB以外では、インストールや追加ソフトウェアの必要なくワイヤレスの接続を可能としています。AIRcableは、物理的な接続の置き換えを行うことを想定して設計されているため、物理的なケーブル接続を前提としていたソフトウェアを変更なく動作させることが可能となっています。


いずれのモジュールにも、2つのモジュールをペアリングして、2点間を「ワイヤレスケーブル」化するボタン穴が設けられています。このペアリングの過程では、ほかのBluetoothバイスを半径約10m以内に置かないようにしてください。


いずれのモジュールにも、ファームウェアの正常動作を示す緑LEDと、接続状態を示す青LEDが設けられています(注:AIRcable Zaurusには無い)青LEDは、接続先のデバイスがアクティブで接続が確立すると点灯します。そうでない場合は点滅したり消灯したりしています。


◆AIRcableモジュールとのコマンドラインインターフェースを用いた接続の確立


○ケーブルモード
※既出なので省略


○アドバンスドモード
AIRcable製品の中で、シリアル、USB、ザウルス、モトローラは各種アドバンスドモードを備えています。コマンドラインインターフェースを用いることで、以下のモードに変更することが可能です。


コマンドラインインターフェースの使用
コマンドラインインターフェースは、AIRcableデバイスが接続確立する前に使用可能です。つまり、青LEDが点滅もしくはオフの場合になります。


シリアルポートのパラメータは以下に設定してください
115200bps/パリティ無し/ストップビット1/8ビットデータ/RTS,CTSフロー制御


それぞれのコマンドは、「^A」(ctrl-aもしくは0x1)キャラクタで開始します。そして、以下に示されるコマンドリストのうち、いずれか一つを続けて大文字(?)入力し、(carriage returnもしくは0xd)で終了します。コマンドは、3秒以内に入力を終了する必要があります。以降のコマンドは削除されるか無視されます。コマンドを正常に受け取った場合、常に「OK」が返されます。


状態変更を行うコマンドの中には、デバイスのリセットを必要とすることに注意してください。下のリストで、当該コマンドには(*)がついています。リセットプロセスには数秒を要し、その間AIRcableは応答しなくなります。電源LEDも一時的にオフになります。


・サービス・スレーブモード
サービス・スレーブモードでは、AIRcableに対して他のBluetoothサービスの接続を許可します。このモードは、Bluetoothを持つPalmWindowsのラップトップPCに対して接続を可能にするものです。このモードの利点は、前述のP2Pモードに対して、複数のデバイスによる接続を可能にしていることです。


AIRcableモジュールで「サービス・スレーブモード」使用するには、以下のコマンドを用います。これは一例なので、使用する状況に応じてセキュリティも含めた設定を行ってください。

^A N AIRcable:名前を「AIRcable」に変更する。名前は8文字である必要がある。これより少ない場合はスペースを用いて残りを埋める。

  • PIN番号を変更する

デフォルトでは5桁のIDを名前から自動生成する。
^A P 1234 :PIN番号を1234に設定し、認証を有効にする。
^A PU :5桁のPIN番号を自動生成する。
^A PD :認証を無効にする。AIRcableはPIN番号無しで接続が可能になる。PIN番号の内容とデバイス名はそのまま保存されている。

^A DDS :SPPプロファイルを検索可能にする

  • 「サービス・スレーブモードへの以降」

^A A3


・サービス・マスターモード
サービス・マスターモードでは、スレーブモードと逆の働きをします。これは、範囲内に存在する複数のデバイスの中から、一つに対してマスターとして接続するために使用します。このモードでは、接続先のデバイスに対してあらかじめペアリングしておく必要が無いという利点があります。多種多様なデバイスと完全に自動で接続します。自動的にペアリングさせるため、PIN番号を最初に設定しておく必要があります。


例として、Bluetoothスキャナなどに対して、特定のペアリングを行うことなく接続可能な例を示します。この場合、サービス・マスターモードに設定したAIRcableを用いて、スキャナはPIN番号0000、認証有効を事前に設定しておきます。すると、自動で認証が行われ、スキャナが発見されます。もちろん、別のスキャナを使用する際にも、AIRcable側の設定を変える必要はありません。


Bluetoothサービス・マスターモードは、サービス・スレーブモードにある複数のAIRcableデバイスと接続を行う際にも使えます。これは、スレーブモードで各所に据え置きしてあるAIRcableモジュールに対して、サービス・マスターモードのデバイスを随時持ち込み、使用するという用途を想定しています。再び以下に例を示します。用途に応じて設定を行ってください。

  • PIN番号の設定

^A P 0000 :PIN番号を0000に設定。認証有効。

  • 認証が必要ない場合、認証無効化

^A PD

  • サービス・マスターモードへの移行

^A A4


・マニュアルモード
マニュアルモードは、相手のデバイスが、完全なBluetoothスタックを備えていない場合を想定しています。コマンドラインインターフェースは、もっとも一般的で単純なBluetoothコマンドの集まりから成り立っています。これにより、他のデバイスの発見、ペアリング、スレーブ-マスター接続の切り替え、ソフトウェアによる切断などを制御します。


このマニュアルモードを使用する際には、事前にBluetoothについて十分に理解している必要があります。疑問がある場合には、われわれまでご一報ください。


ソフトウェアによる切断
一度接続を確立すると、コマンドラインインターフェースはすべての入力と出力を、接続先のデバイスへ渡すため、使用不能になります。


このモードでは接続をプログラム側で切断することを可能にするものです。デバイスのタイプに依存しますが(DTE,DCE,USBなど)、ソフトウェアがAIRcableからのDTR、DSRラインを無効にしておく必要があります。

  • AIRcableシリアルDCE(D-sub9ピンオス)では、入力ピンは6番ピン(DSR)に設定されています。このピンが立ち下がると、接続が切れます
  • AIRcableシリアルDTE(D-sub9ピンメス)では、入力ピンは4番ピン(DTR)に設定されています。このピンが立ち下がると、接続が切れます
  • AIRcableUSBモジュールでは、プログラム側でDTRに設定されたラインを立ち下げると接続が切れます。
  • AIRcableモトローラでは、ポートを閉じるとDTRが自動的に無効になり、切断されます。


コマンドラインリスト―
H:AIRcableのステータスを表示します
B:BTアドレスを表示します
O(*):デバイスクラスを設定します。例:OC20104と設定すると、INFO+MODEM+NET、メジャー番号はPC、マイナー番号はデスクトップに設定されます。詳細はBluetooth Assigned Numbersを参照してください。
P:PIN番号を表示します
P12345:PIN番号を12345に設定します
PD:認証を無効にします。しかし、接続元のデバイスからPIN番号を入力された場合は、保持した番号で対応します。スレーブモードのみで有効。
PU:名前から5桁のPIN番号を自動生成します。
E:暗号化モードを無効にします。
E1:暗号化モードを有効にします
N:デバイス名を返します
N AIRcable:デバイス名を「AIRcable」に変更します(空白含め8文字)
※以下のコマンドはマニュアルモードのみで使用します。
I:デバイス問いかけスキャンの間隔を11秒に設定します。INQUIRINGという表示の後、OKで終了します。
I90:デバイス問いかけスキャンの間隔を90秒に設定します。
CS 1A2B3C4D5E5F:マスターとしてアドレス先に接続を行います。Cは接続、Sはシリアルポートを意味します(Dでダイアルアップ、LでLAN、OでObex)コマンドはCONNECTINGを返し、CONNECTEDもしくはFAILEDで成功・失敗を示します。
R 1A2B3C4D5E5F:マニュアルによるペアリング要求を行います。このペアリングでは、対象デバイスのアドレスを直接指定します。このコマンドの実行には、すでにPIN番号が設定されている必要があります。AIRcableは以後の接続で使用するlink keyファイルを保存します。このコマンドでは、PAIRINGを返し、OKかFAILEDで成功か否かを示します。
L:以前のコマンドで生成されたlink keyを読み取ります。
L 1233456789ADBDEF:link keyを設定します。これは32文字の16進数番号列です。
D :有効になっているサービスを表示します。SPP:0x8、DUN:0x4、LAP:0x2、OBEX:0x1
D D SDLO:サービスを有効にします。S:SPP、D:DUN、L:LAP、O:OBEX
D U:サービスをすべて発見不能にします。有効時に選択したプロファイルはそのまま保持されます。D Dで有効化
S:スレーブモードでのコネクトコマンド。1度だけ11秒間のスレーブ接続待機に入ります。その後、マニュアルモードに戻ります。このモードではOPENを返し、CONNECTEDかFAILEDで成功か否かを示します。
S 20:スレーブモードのコネクトコマンド。1度だけ20秒間のスレーブ接続待機に入ります。
A:現在のオートマチックモード状態を示します。(0:マニュアル、1:マスター、2:スレーブ、3:サービス・スレーブ、4:サービス・マスター)
A 0:マニュアルモードに入ります。
A 1:ケーブル・スレーブモードに入ります。AIRcableは発見可能になり、ペアリング情報が存在しない場合はペアリングモードに入ります。ペアリング後は発見不可になり、ペアリング相手のみに接続を許可します。このモードでは、SPPプロファイルのみがアクティブになります。
A 2:ケーブル・マスターモードに入ります。最初に接続相手問い合わせを行い、設定されたPIN番号によりペアリングを行います。その後マスターとして接続を行います(発見は不可になります)。
A 3(*):サービス・スレーブモードに入ります。認証、使用プロファイル、PIN番号、デバイス名を使用するため、事前に設定する必要があります。
A 4:サービス・マスターモードに入ります。認証が有効になっている場合は、最初に接続相手を発見し、ペアリングを行った後に接続を試みます。認証不可の場合は、接続相手を見つけ次第接続を試みます。接続時には、事前に設定されたPIN番号を使用します。
U:UART設定を表示するコマンドです。設定を16進数により返します。例「UART:0x6」これは、以下の値の合計を示しています。外部スイッチ有効:6、偶数パリティ:4、奇数パリティ:2、ストップビット2:1
U N 1 E:UART設定コマンドの一例です。最初のNはパリティの有無を示します(N:なし、E:偶数、O:奇数)。二番目はストップビットを示します(1:1ビット、2:2ビット)。三番目は外部スイッチによるボーレートを有効にするか否かのスイッチです(E:外部スイッチ使用、I:内部ファームウェアによる設定)。
U E 2 I:UART設定コマンドの例その二です。この場合は偶数パリティ、2ストップビット、内部ファームウェアによるボーレート設定となります。
T:接続が確立した後のUART設定によるボーレートを表示します。BAUD:0が返される場合は、外部スイッチによるボーレート設定がなされていることを意味します。
T 472(*):T以下の値によりボーレートを設定します。これは3桁の少数を使用します。(目標ボーレート)×0.004096で計算してください。472の場合は、115200bpsになります。
Z(*):ペアリング情報を消去し、マニュアルモードに入ります。
X 0:デバッグモードを無効にします。
X 1(*):デバッグモードを有効にします。ステータス情報を出力します。
Y:すべてのAIRcable動作に対してキャンセルのコマンドを送信します。
F:sniffモードの最大インターバル時間を表示します。SNIFF 0x0の場合は0です。デフォルトは320。
F 000:スレーブモード接続におけるsniffモードのインターバル時間を設定します。000ではsniffモードがオフになります。540が最大値です。3桁の16真数で設定してください。
V:ページスキャンのインターバル時間、ウィンドウ時間を表示します。例:PAGESCAN INTV/WIND:0x800/0x12
V 0800 0012:ページスキャンインターバル時間とウィンドウ時間をそれぞれ設定します。