SpaceShipOne、ANSARI X PRIZEに挑戦――商用宇宙飛行への途?

先日、宇宙への飛行を成し遂げたSpaceShipOneですが、「民間資金のみで高度100kmに達して安全に帰還する」のを競うX PRIZEという1000万ドルの懸賞プロジェクトで1回目の飛行を行いました。二週間以内に3度の飛行を行うという過酷な条件のようですが、今回は見事に成功らしいです。素晴らしい。


が、中継していたライブ映像を見る限り、二段目のモジュールに点火して弾道飛行に移り、頂点に達する前後で姿勢を崩している様に見られました(予定のうちかもしれませんが)。くるくる回りつつ放物線の天辺を過ぎ、やがて無事に姿勢を回復していましたが、ちょっとひやりとしました。なにしろ、あの高度では空気による力がほぼ皆無なのです。一度大きく姿勢を崩してしまうと、空気力を用いる舵面の制御では回復が不能になり、失速したまま落下してほぼ確実に空中分解が待っています。


超高高度・高速化下での操縦には危険が伴うという例では、自動操縦装置の故障と人為ミスにより一瞬で空中分解したX-15の事故を思い出します。今でもこの困難さは変わりません。未来の旅客機と言われるスペースプレーンでは、大気圏再突入時の操縦は、既に人間による操作が不可能とまで言われています。それ程までに危険な空に挑戦する彼らには、純粋に尊敬の念を抱いてしまいます。まだ誰が賞を勝ち取るかは分かりませんが、偉大な挑戦者達に幸多からんことを祈りたいです(^^